膝周囲の骨切り術について
上記のように年々手術件数は増加しております。
これはひとえに周囲のクリニックの先生方からのご紹介、そして病院のスタッフの皆様(特にデータ収集を行ってくれているPT、外来スタッフの皆様)、そして何よりアンケートにお答えくださっている患者様の皆様、それぞれの多大なるご協力によってなし得たことだと思っております。いつも感謝の気持でいっぱいです、ありがとうございます。
1年間の結果(全て平均値として記載)を以下にまとめましたのでよろしければご一読ください。術後の機能評価では、術後3ヶ月で約7割の方が術前より改善したことがわかりました。
当院では非常に多くの骨切り術を行っています。しかし多いからこそ、お一人お一人の患者様を大切に!ということを常に意識しています。ただ手術をすればよい、ということは決してなく術後もしっかりとフォローさせていただきます。術後1、3、6、12ヶ月、さらにその後も毎年受診していただくことで検診を継続しています。そのことこそが、責任をもって私たちがその患者様やその膝とおつきあいさせていただくことだと考えております。2024年度も何卒よろしくお願いいたします。
手術内訳 2020.04~2024.03
手術件数:210件・244膝(=例)1膝を1例として以下記載しております。
件数(人) | うち男性(人) | うち女性(人) | 平均年齢 | |
2021年度 | 38 | 17 | 21 | 59.3(41-73) |
2022年度 | 79 | 34 | 35 | 59.3(41-73) |
2023年度 | 122 | 64 | 58 | 61.0(35-76) |
男性 | 女性 | |
平均身長 | 167.6cm(160.1-182) | 155.1cm(147.3-166.0) |
平均体重 | 77.7kg(54.0-109.7) | 66.9kg(41.6-92.0) |
平均BMI | 277.7(22.2-37.5) | 27.8(18.0-38.6) |
2021-2022 | 2022-2023 | 2023-2024 | |
MOWHTO | 22例 | 45例 | 55例 |
H-CWHTO | 14例 | 31例 | 53例 |
DLO | 1例 | 3例 | 11例 |
DFO | 1例 | 6例 | 2例 |
※MOWHTO(=内側開大式高位脛骨骨切り術)
※H-CWHTO(=閉鎖式楔状高位脛骨骨切り術)
※DLO(=大腿骨・脛骨同時骨切り術)
※DFO(=遠位大腿骨骨切り術)
2020-2021 | 2021-2022 | 2022-2023 | |
半月板縫合との組み合わせ | 22/38例 | 71/84例 | 113/122例 |
半月板後根縫合 | 13 | 18 | 19 |
Tie grip suture + Centrallization | 7 | 18 | 17 |
All inside | 1 | 2 | 22 |
Centrallization単独 | 1 | 32 | 70 |
Inside-out | 0 | 1 | 0 |
合併症
2021
2.6%(1/38)感染:(術後4週で感染を生じ1回のデブリドマン手術を施行し、後遺症なし)
2022
3.6%(3/84)感染:(2例は抗生剤の内服のみで改善、1例はデブリドマン手術を施行し、可動域制限、ADL低下なし)
2023
3.3%(4/122)感染:(3例は抗生剤の内服のみで改善、1例はデブリドマン手術を施行し、可動域制限、ADL低下なし)
レントゲン評価(内反膝に対してのみ)
2021 | 2022 | 2023 | |
術前K-L grade | 2.6 | 2.8 | 2.7 |
術前%MA | 18.9% | 23.7% | 20.5% |
術前mMPTA | 83.9 | 84.1 | 83.6 |
平均Correction angle | 10.3° | 9.7° | 9.9° |
術後%MA | 57.6% | 59.4% | 58.8% |
術後mMPTA | 93.3 | 93.0 | 92.8 |
機能評価
評価時期 | JOA(平均値) | KOOS |
術前(203例) | 70.9 | 50.7 |
術後1ヶ月(200例) | 56.9 | 47.1 |
術後3ヶ月(190例) | 71.2 | 53.8 |
術後6ヶ月(169例) | 79.4 | 62.3 |
術後1年(112例) | 85.6 | 67.7 |
術後2年(28例) | 89.4 | 69.5 |
※平均値では術後3ヶ月で術前よりも機能改善していることがわかります
術後1年:93.8%(105/112)術前のスコア以上に改善した。
仕事・スポーツ復帰
術後仕事復帰までの日数:88日(11-351)(104例)
術後スポーツ復帰までの日数:182日(35−310)(40例)
抜釘までの日数:300日(134−613)(145例)