歯科・歯科口腔外科

医療連携

　当科は病院歯科としまして、診査・診断・治療上関連性のある診療科と密に連携し、“口腔外科治療”、“有病者の歯科治療”、“医科歯科連携治療”を診療の３本の軸として、外来・入院診療を行っております。また、周囲の医療施設との病診・病病連携を大変重視しており、一般歯科診療所をはじめ諸施設の先生方との円滑な医療連携を形成させていただくことにより、病院歯科の特徴を活かした診療体制づくりに積極的に取り組んでおります。
　迅速な対応と安全確保を心掛け、患者さんはもちろんのこと、先生方のお役に立つことができますよう尽力する所存でございますが、先生方に支えていただきながら診療にあたっておりますがゆえ、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

診療体制の３本の軸

1. 口腔外科治療
   ・悪性疾患、先天性疾患の一部を除いた口腔外科疾患全域
2. 歯科治療
   ・有病者の観血的歯科治療
   ・入院患者の応急的歯科治療
   ・職員の歯科健康保持
3. 医科歯科連携医療
   ・摂食嚥下機能療法
   ・睡眠時無呼吸症候群
   ・周術期口腔機能管理
   ・医科治療（投薬）前スクリーニング
   ・言語療法への参画

笑気吸入鎮静法

　歯科治療に対し、不安や恐怖を感じるという患者さんは少なくなく、口腔外科処置においては、一層増強することは想像に易く、患者さんに優しい口腔外科診療を考えた時、精神鎮静法の存在は大きいと考えます。当科では、全身麻酔、静脈内鎮静法に加え、外来診療において容易な方法で効果が期待できる笑気吸入鎮静法を取り入れております。
　2001 年の導入から 2020 年 12 月までの 20 年間で、9551 件の症例に施行しており、2012 年に行ったアンケート調査では、約 6 割の患者さんが「快適」とされ、「鎮静後“不安度の減少”がみられた」との回答は 7 割を超えました。そして 9 割以上の方が「機会があれば再度受けたい」と賛同され、「リラックスして処置を受けられ良かった」などの感想が多く寄せられ、その有用性が伺える結果でした。紹介患者さんへの施行による満足度の向上は、病院歯科の推進する病診連携のひとつの懸け橋になるとも考えられ、今後、さらに安全で安心の優しい医療に取り組んでいきたいと考えております。